私たちは、医療過誤による被害者とその家族の集まりです。医療の専門家である医師を信頼し、身体委ねました。ところが、その期待と信頼は裏切られ、一生涯もとに戻らぬ障害を、または、その命をも奪われたのです。
医師は、このような事故を引き起こしながら、専門家という権威を盾にその事実を認めようとはしません。悲しみの中で、原因を明らかにして再発を防止したいという私たち被害者の切なる願いも踏みにじられるばかりです。さらに私たちが許せないことは、事故を起こした医師たちは、密室の中にすべてを包み隠し、責任を回避せんとすることです。
これまでにも医療過誤の被害者は、閉鎖的、権威的な医療組織社会に壮絶な闘いを挑みながら、真実の叫びを社会に訴えて来ました。しかし、その数は極めて少なく、大部分の被害者 は泣き寝入りを余儀なくされております。
頼りとする弁護士を見つけることさえ容易ではない私たちは、医療過誤により、ある者は植物状態となり、ある者は機能障害に、発作や痛みに苦しめられ、また光を失い、大地を踏み締める足を失い、誰もが侵すことのできない生命さえも奪われるなど、絶望の生活の中で裁判に 取り組んでおります。そのうえ、医療裁判をタブー視する社会環境、原告に犠牲と負担を強いる裁判制度と医療被害者を取り巻く情勢は極めて厳しいと言わざるをえません。
今、移植医療をはじめ医療の進歩が謳いあげられる中で、医師中心の日本の医療は、医療ミスが起こっても、患者(被害者)は、自分のカルテすら見ることができません。ましてや、安心して相談できる行政の窓口もありません。
私たちは医療過誤の原告として集い、その被害事実を検証し、医療状況を把握して、受けた被害の事実を社会に提起し医の倫理を問いかけ、司法、立法、行政にも現行医療制度の改善を要求してその改革に取り組み、医療過誤により派生するさまざまな問題の解決に道を拓き、被害者の救済を求めるべく、ここ に「医療過誤原告の会」の設立を宣言します。
1991年10月20日 医療過誤原告の会
本会は、会員の交流と情報の交換など相互扶助を図り、医療被害者への情報の提供、特に医療被害による障害者及びその付護者に対する福祉制度の確立。医療過誤の実態調査と情報の公開。医療過誤裁判に拘る司法・行政への改善を求め、患者と医療に関するさまざまな問題を克服し、医療過誤の減少を図り、患者とその家族の人権(尊厳)と権利の確立を目指す事をもって、目的とする。
本会は医療過誤原告の会(以下、本会)と称する。
本会の事務所は会長宅に置く。
本会は第一条の目的を達成するため次の事業を行う。
(1)会員相互の交流と連携を図るための事業。
(2)医療被害者のための相談窓口の紹介。
(3)医療被害者の実態調査と情報の公開、並びに救済と福祉に関するための事業
(4)医療過誤裁判に拘る司法・行政への提言並びに医療制度の改善を求める為の事業。
(5)その他、本会の目的を達成するための一切の事業。
本会は目的に賛同する第一種会員並びに第二種会員を以て会員とする。
(1)第一種会員
本会の目的に賛同する医療過誤訴訟裁判の原告(元・現)
(2)第二種会員
本会の目的に賛同し、医療過誤の被害者と認定するも裁判に至らず、示談で解決出来た患者またはその家族。並びに裁判には至らないまでも当会の趣旨に賛同し入会を希望する医療被害者と認定する患者、またはその家族。
本会の目的に賛同しその事業を後援する個人・法人または団体は、賛助会員となれる。
2 賛助会員は総会に参加し意見を述べることができるが表決権をもたない。
本会の会員になろうとするものは、幹事会が別に定める入会申込書と入会金を添えて事務局に提出し、幹事会の承認を得るものとする。
会員は、総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。
2 賛助会員は、総会において別に定める入会金及び賛助会費を納入しなければならない。
本会を退会しようとするものは会長にその旨届け出なければならない。ただし、死亡した時または会費を2年以上にわたり納入しない場合は、退会したものと見なす。
会員が次の各号の一に該当するに至ったときは、総会の決議により除名することができる。この場合、その会員に対し、総会の1週間前までに、除名する旨の通知をなし、議決の前に弁明の機会を与えなければならない。
(1)本会の規約または規則に違反したとき。
(2)本会の名誉を傷つけ、または目的に反する行為をしたとき。
(3)その他正当な理由があるとき
2 前項により除名が議決されたときは、その会員に対し、通知するものとする。
本会に次の役員を置く。
幹事 3名以上 監事 1名
2 幹事のうち、1名を会長とし、副会長を若干名置くことができる。
役員の任期は2年とする。但し再任を妨げない。
2 役員任期の満了、または辞任によって退任した役員は後任者が就任するまで続きその任務を行うものとする。
会長・幹事・監事は総会において選出し決定する。
2 副会長は幹事の中から会長が指名し、幹事会の承認を受けるものとする。
会長は、本会を代表し業務を統括する。
2 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき、または会長が欠席した場合は、会長があらかじめ指名した順番によって、その職務を代行する。
3 幹事は、幹事会を組織し、本会の日常業務を執行する。
4 監事は、本会の事業、収支業務を監督し、総会に報告する。
本会運営のため次の会議を開催する。会議は会長が召集し議長を務める。
(1)総会 (2)幹事会
2 総会・幹事会は該当構成委員の3分の1以上の出席がなければ議事を開き議決する事ができない。ただし、あらかじめ委任状の提出がなされた場合は出席があったものとみなす。
3 議事は出席者の過半数をもって決し、可否同数の場合は議長の決するところによる。
4 臨時総会は、幹事会が必要と認めたとき、または10分の1以上の会員が議会に付議すべき事項を表し召集を請求したとき、会長が速やかにこれを召集する。
次に揚げる事項は総会の議決を経なければならない。
(1)規約の変更
(2)役員の選任及び解任
(3)事業計画及び収支予算の決定又は変更
(4)決算及び事業報告、財産目録、並びに関係書類の承認。
(5)解散
本会の収支は会費・事業収入・寄附金を以てこれに充てる。
2 本会の収支予算は年度開始後2カ月以内に幹事会の議決を経、総会の承認を受けてこれを定め、収支報告書は年度終了後2カ月以内にその年度末の財産目録と共に監事の監査及び幹事会の承認を受け、総会の承認を得なければならない。
3 本会の会計年度は毎年10月1日より翌年9月30日までとする。但し設立初年度の会計年度は10月20日より翌年9月30日までとする。
本会基金は、恒久的運営をはかり財政基盤確立のために設定する。
2 基金運用の細則については、別に定める。
本会の事務を処理するため、事務局を設置する。
2 事務局には、事務局長その他の職員を置く。
3 事務局長は、会長が任免する。
1 この規約は平成3年10月20日から実施する。
2 この規約は平成5年11月28日から実施する。
3 この規約は平成19年12月17日から実施する。